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電子化については、文書はパソコンによって単体で管理するのではなくデータベースで一元管理するため、ネットワーク上での交換、共有が可能となる。又、アプリケーションを統一しているため、組織内の文書であれば、修正/加工は容易である。又、文書を構造的に作成しておくことにより、将来SGML等の標準技術に対応する際の費用と労力の軽減につながると考えられる。ただし、バージョン・アップを行う際にはコンバート等の作業が必要となり、データの精度が落ちる可能性もある。

 

(2)CALS的アプローチによる効果

それでは、組織内における電子化から、さらにCALS的アプローチを進めた場合、どのような効果が期待されるのだろうか。この場合にポイントとなるのは、標準技術の活用と統合データベースによる組織を超えたネットワークの活用である。その効果については、表5−1にまとめ、電子化による効果からさらに高度化されている部分について網掛けとしている。

組織的ルールから考えてみるが、まず全てのデータベース上のデータが組織を超えて共通したルールで管理されていることから、ネットワーク上で交換・利用できる文書の量が飛躍的に拡大することが期待される。又、組織内での情報化の場合、外部から受け取った文書が紙の場合は再入力するという作業が発生するが、標準技術を活用していればそのような作業は必要なくなり、データはそのまま回覧・稟議等にまわすこともできる。

媒体の問題から発生する効果としては、紙から電子媒体に移行するという意味ではCALS的アプローチでなくとも同じである。しかし、電子化の方法として、SGML等のデータ標準を活用することにより、より自由度の高い検索や再利用が可能になる。又、電子データの交換についても、組織を超えて広く行うことが可能となると考えられる。

電子化の問題については、文書の再利用や共有の面で媒体による効果と同様なので省略する。ただし、データ標準への移行の点については、SGML等のデータ標準を既に活用しているためアプリケーションのバージョンアップがなく、継承の確保に関してはほとんど問題がなくなるという利点がある。

 

 

 

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